議会質問議会質問

2016年9月議会質問 9月30日現在

2016.10.07

2016年9月議会質問     9月30日現在  和田明子

県営住宅の環境改善について
 毎年、県の関係部局と懇談・要望をしている生活と健康を守る会が、県営住宅入居者からの要望をもとに改善を求めた結果、浴槽・風呂釜が設置されていない県住に計画的に入浴設備設置をするという改善が図られていることは関係者共々感謝申し上げます。
 今回も県営住宅の改善について建設部長にお聞きします。
 今年の夏も厳しい暑さでありました。猛暑日・熱帯夜など厳しい暑さのなかで、駒沢団地などの入居者から「網戸をつけて欲しい」と生活と健康を守る会に要望がありました。以前からもこの要望は上げていましたが、回答は「網戸は1万円ぐらいでつけられる。ご自分で」ということでした。しかし、古い県住には、網戸をつけることができない窓枠の構造になっている住戸があることを県は認識されているでしょうか。問題がある住戸の実態を把握しているのか。おききします。
網戸がつけられない構造になっている窓枠は欠陥住宅ともいえます。窓枠の取り換え工事は入居者の責任ではありませんし、できません。入居者の安全・健康面からも網戸がつけられる窓枠に改修をすべきと思いますがいかがですか。
また、窓枠の構造上の問題はないが、経済的に網戸を入れられない生活保護世帯、生活困窮世帯等には、県として網戸を入れて欲しいと思います。あわせて建設部長にお聞きします。


次に視覚障がい者が利用する録音図書ついて伺います
長野市社会福祉総合センター内にある録音図書の利用者から、図書を借りるため電話をしても、松本市にある県視覚障がい者協会に電話が転送になり、図書を借りるのに2度、3度電話をすることがある。何度も転送になると遠慮してしまう、以前より不便になったのは職員が減っているからではないかという相談がありました。
 私も以前から、録音図書のボランティア活動をしている「愛あいの会」の方から音訳の実情を伺ったことがあり、先日たずねたところ、県の委託事業の委託先が社協から県視覚障がい者協会に替り、社協の協力で録音図書の貸し出しは複数体制だったが、4月から一人になってしまったとのことでした。お聞きをすると、視覚障がい者の方が利用する図書の作成、音訳ボランティアの養成・研修など県から委託されている業務は多岐にわたり、愛あいの会のボランティアの皆さんに協力してもらっているが、図書の利用者に不便をかけてしまうことがあるとのことです。視覚障がい者への行政情報や生活情報はじめ、図書など必要な情報を提供する県の委託事業には人件費は見込まれているのか、委託事業の実情はどうなっているのか健康福祉部長にお聞きします。
点字や音訳など関係するところは、長野市にある録音図書、上田市の点字図書館、その他自治体でも関係図書を持っているところがあります。それぞれの、図書館にある蔵書のデータベースを共有して、貸出窓口にあたる電話の転送先を一本化するなど、利用者の利便性を向上させる観点で改善をして欲しいのですが、健康福祉部長にお聞きします。


この事業はほとんどボランティアに支えられて成り立っている状況ですので、予算の充実を図って欲しいと要望させていただきます。


リニア中央新幹線について伺います
 JR東海は下伊那郡大鹿村で秋中ごろにもリニア中央新幹線の南アルプストンネル長野工区(約8.4Km)の準備工事を始めると報道がされています。工事を開始するにあたって8月から9月に全村民対象とか自治会別で地元住民説明会が開かれました。
その場で、懸案の一つ、トンネル残土の処分地についてJR東海から、松川町生田地区と示されたとのこと。ですが、この話は松川町にとっては寝耳に水。候補地が処分地のように扱われたことが松川町で問題になったとお聞きしています。県側からJR東海に照会した候補地の豊丘村でも急傾斜の沢への残土処分は災害の心配があり撤回されたとのことです。現時点でトンネル工事によって搬出される残土の行先が決まっているところがあるのか。リニア整備推進局長にお聞きします。


 残土処理の受け入れ先が決まらない状況で、工事を強行しないようJR東海に県として確認をとっているのか。お聞かせください。
 

〇トンネル残土の運搬車両(1日1736台~1350台)の問題はたびたび質問してきましたが、それに加え、工事用資材運搬車両や工事関係者の車両の通行がどのくらいになるのかなど安全な交通確保、道路問題は地域住民の生活や観光にとって死活問題です。
 住民説明会でも関係車両の通行時間を規制してほしい。大鹿歌舞伎や観光シーズンは工事を休んでほしい。村の中心を通過しないようにつくられる迂回道路は保育園や宅老所などに近くなって、子どもやお年寄りが危険になる。などなど、住民の日常生活に多大な支障が出ることも大変心配しています。このような生活道路の確保に対する不安・要望にどう応えるのか。リニア推進局長にお聞きします。


道路改良や迂回路建設など対策を講じても、また別のところに新たな負担が生じてしまう状況です。道路改良に着手した段階でリニア工事を始めていいことにならないのは当然です。村民の生活を守る立場で不安・要望に応えるようお願いします。


知事に伺います
〇JR東海中央新幹線建設部担当部長は「地元の理解と同意がなければ着工できない」と繰り返し発言し、住民の前で約束をしているにもかかわらず、この間、開かれた地元住民説明会後にJR東海関係者が「住民の理解が進んだと考えている」旨の発言をし、住民は「どんな工事が実施されるのか理解することと、納得することは違う」とJR東海のやり方に不信、不安、疑問を募らせています。
 釜沢地区住民説明会で地元住民ではない対策委員を説明会に入れない、地元自治会役員が退席などの報道もあり、知事も会見で「JR東海の対応は悪い」との見解を示しました。JR東海に対して、住民の立場で対応をしていただきたいと思います。知事いかがですか。


安倍政権は、リニア新幹線への巨額の公的資金の投入なども経済対策としているようですが、これは全額自己負担としてきたことと話が違うことは大手新聞各紙からも指摘されています。もともとJR東海が民間資金で行うとしていた事業に公的資金が投入されても工事量が増えるわけでなく、景気対策とは無関係で、公的資金の投入による国民負担のリスクだけが増大します。
 リニア新幹線は、巨額の建設費、採算見通しの無さ、環境破壊など様々な問題点を指摘され、東京-名古屋間の全線での工事の見通しはまだ立っていません。なのに、名古屋―大阪間の工事を前倒しで進捗をと、安倍政権が、JR東海に財政投融資をして、国が後ろ盾になるようなやり方が、JR東海をさらに強気にさせ「説明会を開けば理解が深まる」同意の判断はJRがする。ということにつながっているように思えてなりません。
先日、共産党国会議員団と大鹿村に行き、村役場で懇談するなかで「住民生活を守るのが村の立場。JRの計画を、どうのこうのというわけにはいかないが、問題が多いという認識で、環境の保全措置、車両通行の確認書、水枯れの保障など対策をしていかなければならない。村単独ではどうしようもない」こういう自治体や住民に寄り添って、JR東海に対応を求めていただきたいと要望させていただきます。


浅川ダム試験湛水について
試験湛水の開始時期の変更について、いつ、どこで、だれが変更したのかお聞きします。
明日、10月1日浅川ダム試験湛水が開始されます。
試験湛水は今年2月に開かれた第10回浅川ダム施行技術委員会においては、11月1日から開始が予定されていました。施工技術委員会で県事務局から、「長野県では平成16年10月に台風が2つ来ており、非常に大きな台風災害が発生したことを経験しています。また、過去にも、昭和元年からの統計上でも、年最大の降水量が10月に発生した件数がかなりあったということから、浅川ダムにおいては、非洪水期から試験湛水を始めるということで、11月1日と決定したところです。」と提案説明がされました。施工技術委員会では、委員からも「開始時期を11月でなく、申し少し早められないか」と質問が出され、県側から再度10月の降雨について説明を繰り返す場面があり、委員会では11月開始が了承されました。
 第10回の委員会の最後に、「実際に試験湛水やることを計画したものを出していただく。」次回委員会は試験湛水前、秋ごろ予定したいと委員会を閉じています。第11回の施工技術委員会は行われたのですか。
11月1日開始から10月1日に変更された経緯はどういうことなのか。第11回の施工技術委員会が開かれなかったのであれば、委員各位にどうやって諮ったのか。
試験湛水については国交省とやりとりをして、県の出した計画は認められたということですが、国からの技術的な指導・助言があったのか。建設部長にお聞きします。

知事への9月県議会前の共産党県議団の申入れの際に、浅川ダムの試験湛水が10月に開始される予定ですが、大雨が危惧される時期であることからも再検討をしてください。という申入れに対して建設部の担当者から「10月は非洪水期で降水量は多くない」との説明があり、知事から「10月は雨が少ないと言っているのに、大雨が危惧されるというのはおかしい」とコメントがありました。
 しかし、矛盾をした説明をしているのは建設部であり、安全よりも今年度中には絶対に試験湛水を終わらせ、浅川ダム事業を完了したいという建設部の都合を優先させているということではありませんか。知事は、11月から10月に変更になったということについて建設部から説明を聞いているのか。お伺いします。

 洪水期か否かの判断をする際、2月の施工技術委員会で県は「安全」を優先して11月開始を提案していました。しかし、10月開始の判断には「安全」よりも、まずは今年度末までには試験湛水を終わらせて「ダム工事を完了する」ことが優先されたのではないか。と指摘せざるを得ません。

 試験湛水を始めるに当たり、9月に2回の住民説明会が開かれました。浅川ダムの貯水池周辺は地すべり地です。FV断層は未解明のままです。堤体の下も含め裾花凝灰岩の脆弱な地盤です。そのダムにサーチャージ水位まで水を溜めることに、市民が心配し、不安・疑問が次々に出されました。県の担当者はその不安に対して「安全性は確保しているから絶対大丈夫」と答えています。

24時間常時監視体制をとる、試験の状況は毎日写真をホームページに掲載する。とのことでしたが、市民はもっと情報を出してほしい。異常事態が発生したときの対応はどうするのか。との質問に、異常事態ついて、どういうとき、どうするかというような細かいマニュアルはない。など「異常事態があったとき、だれが異常を判断するのか」についても住民説明会では明確な答えはなかったと記憶しています。これだけ、十分に準備を進めてきたのですから、異常事態が発生した場合、まず、異常事態の判断、その後の対応、連絡体制など関係部局、地元自治体、専門家共通のマニュアルはあると思うが、1回目の説明会ではよくわかりませんでしたがどうなっているのか確認したいと思います。建設部長にお聞きます。


 ※全国的にダムの試験湛水中に発生した課題の調査・分析をしている、土木研究所ダム構造物チームの調査結果では、調査対象124ダム中、16.9%の問題発生率で、本来入念な地質調査に基づいて十分な安全性が確保されるように設計されているダムとしてはかなり高い発生率と考えられると指摘しています。
ダム建設にとって、試験湛水のハードルがいかに高いか、ダム一筋の専門家が指摘しています。

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